限定A〜自動車の受難?
・「車両保険」には『一般車両保険』と『エコノミー(車対車の車両保険)』があり、「限定A」は、「エコノミー」の仲間です。
「限定A」の正式名称は、『車両危険限定担保特約』です。そして、「限定A」の《A》とは、『Accident(アクシデント)』…《災難》のことです。
つまり、限定された「アクシデント(災難)」によって、車両が損害を被ったときに補償される「特約」なのです。《補償範囲》は分かるけど、内容が漠然としていますね‥。
・「限定A」では、車を走行させたときに起こり得る危険《以外》のものが、補償の対象になります。具体的には…火災/爆発・騒じょう等の暴力行為による破損・盗難・落書き・台風・洪水・高潮・浸水・ガラス破損・飛来/落下中の他物との衝突‥などが、補償されます。
『騒じょう等の暴力行為』とは、《労働争議》で興奮した人にバット車を叩かれた‥などといった場合を指すのでしょう。…ホント、《災難》以外の何ものでもないですよね。
・「限定A」には、事故の補償がありません。走行中に跳ね上げられた小石による損害など、見事に限られた補償はありますが…。
「限定A特約」では、自動車の事故ではなく…〈自動車に降りかかってくる災難〉が、補償されるわけです。自動車に起こり得る災難が補償されるのですから、確かに『自動車保険』なのでしょうが…何だか、不思議な「特約」ですね。
・「限定A」の保険料は、「一般車両保険」より安くなっています。しかし、《お安い限定補償》であるがゆえ…自動車事故の際は、「一般車両保険」と比べて、補償の対象外となるケースが多いようです。
《安かろう悪かろう》‥というコトもないでしょうが、コトが起きた時、役に立ってくれない保険では困ります。この「特約」のみで《自動車特有の危険》に備えるには、勇気がいるかもしれません。敢えて勧めるセールスマンも、いないでしょうが…。