自動車保険…示談交渉
交通事故では、ほとんどの場合、当事者の話し合いによる示談で賠償問題に決着がついています。大方、保険会社で行ってくれますが、注意点は知っておいたほうがよいでしょう。
示談をすすめるにあたって、まず、交通事故証明書、診断書、領収書など、請求内容を証明する具体的な資料を取り揃えます。示談はタイミングが重要ですので、自分の主張ばかり通そうと思うと、時には感情論になって折角まとまりかけていたものが不調に終わってします恐れがあります。多少、譲歩しても決着がつきそうならば、決断するいいタイミングかもしれません。示談がまとまったら示談書を作成しますが、以下のものを記述します。
示談書の形式は自由ですが、自動車保険に加入している場合は、保険会社にある所定の示談書を使用します。@当事者名A事故発生日時・場所B加害車両の登録番号C事故の状況D示談内容E作成年月日F署名・捺印
もし、賠償金を分割でなければ支払えない状況にあった場合は、確実に履行されるように@約束を守らなかったら、日割り計算で加算金をプラスするとか支払いを怠ったら残金は一括で支払う等の違約条項を入れておくA資力のある人を連帯保証人につけさせるB即決和解や公正証書の方法で、裁判をしなくても強制執行できるようにしておくなどの措置を取っておくと有効です。また、加害者に誠意がなく示談がなかなかできない場合は、@内容証明郵便で督促したりA仮処分の申請を行ったりするのも方法です。
示談書には、「権利放棄条項」(今後はこの事故についてはいっさい請求しないというもの)を書くのが一般的ですので、署名・捺印をする前によく検討して納得してから行ってください。また、後遺障害の心配がある場合は、「権利留保条項」(後遺障害が生じたときは改めて協議するというもの)を入れとくとよいしょう。
by
安井敏夫(CFP 東京都足立区)