車両保険の違いってナニ? 保険料はどれだけ違うの?
車両保険は、契約している自分のクルマが偶然の事故によって損害を受けた場合に、保険金が支払われる保険です。クルマ同士の接触・衝突事故、火災・爆発、台風・洪水・高潮、盗難、落書き・窓ガラスの破損などのいたずら、騒じょう等の暴力行為、物の飛来・落下、当て逃げ、単独事故、転覆、墜落・・・などによる愛車の損害をカバーします。
しかし、車両保険には「一般車両保険(一般タイプ、一般条件とも呼ばれています)」と「車対車+限定A特約(限定タイプ、エコノミー+Aとも呼ばれています)」があり、どちらを選ぶかによって補償範囲も保険料も異なります。
<図表:「一般車両保険」と「車対車+限定A特約」の比較>
| 走行中の事故 | 走行中以外の事故 | 一時払い保険料 |
車同士の衝突・接触 | 単独事故・転覆・墜落 | 当て逃げ | 火災・爆発 | 落書き・窓ガラスの破損 | 盗難 | 台風・洪水・高潮 |
一般車両保険 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 79,500円 |
車対車+限定A特約 | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | 59,700円 |
- 保険料試算の前提条件・・・居住地=東京都、トヨタbB(TA−NCP31、初年度登録平成14年6月)、レジャー用、ゴールド免許、30歳以上担保、16等級、対人賠償=無制限、対物賠償=無制限、人身傷害保険=5000万円、搭乗者傷害保険=1000万円、車両保険(協定保険価額=修理支払限度額)=100万円(免0−0)、弁護士費用特約あり
- 保険料は大手損保X社の場合(平成18年3月29日現在)
- 試算結果は、保険会社・契約条件等により異なります
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保険料にどれだけの差が生じるかは車種や契約条件によって違いますが、図表のケースでは、一般車両保険に比べて、「車対車+限定A特約」は約2万円安くなっています。
安さの理由は、「車対車+限定A特約」の場合、ドライバーの運転ミスによる単独事故や当て逃げをされたときの損害は補償されないからです。単独事故も当て逃げも、損害賠償金を支払ってくれる相手がいない事故ですから、保険会社にとってリスクの高い損害です。それを外せば保険料が安くなるのは当然のことですね。
一般的に、車両保険の保険料部分は「一般車両保険」と「車対車+限定A特約」とで、約2倍の差が生じると言われています。単独事故・当て逃げには、対向車を避けようとしてその車に接触せずに電信柱などに衝突したケースや、車庫入れに失敗して車をぶつけたケース、駐車場に車を止めて買い物をしていた間に他のクルマが車庫入れに失敗してぶつけ、そのまま逃走したために相手を特定できないケースなども含まれます。「保険料が2倍でも、一般車両保険に入ったほうが安心」と考えることもできるでしょう。
しかし、これらの事故で保険を使うと、ノンフリート等級が3つ下がるため、翌年以降の保険料が今に比べて大幅にアップすることになります。よほど大きな損害を被らなければ、保険を使う気になれないでしょう。
中古車に乗っていて車両保険の契約保険金額がそれほど高くない場合や運転に自信のあるベテランドライバーであれば、単独事故と当て逃げをされたときには自腹をきる覚悟で「車対車+限定A特約」にして、保険料を安くしたほうがよさそうです。
車両保険で安くする by
柳澤 美由紀(CFP 福岡県 福岡市)