保有自動車の1000台に1台が盗難に遭う時代。対策はこれだ!
警察庁統計によると、自動車盗難の認知件数は1999年以降急増、2004年は5万8737件となっています。過去最悪の2003年(6万4223件)よりは減っているものの、高止まりの状態が続いています。
車両盗難というと、高級車やRV車中心といわれてきましたが、2003年には200万円未満の車両盗難が69.3%(4万4538件)を占め、盗まれる車種の分散傾向が顕著になっています。これは、高級車やRV車を中心に、盗難防止装置(イモビライザ、警報発生装置、ハンドルロック・ブレーキロック装置、盗難車追跡装置など)の装着が進んだことで盗みにくくなったため。裏を返せば、盗難防止装置が付いていない車は狙われやすいということですから、愛車をお持ちの方は意識したほうがいいかもしれませんね。
盗難防止効果の高い「イモビライザ」
イモビライザとは、エンジンキーに埋め込まれているトランスポンダ(電子チップ)のIDコードを車両本体内で照合し、正規のキーと確認されないと、電気的にエンジンが始動しないという盗難防止装置です。2003年に盗難率の高かった3車種においてイモビライザの効果を検証したところ、イモビライザ搭載車の盗難防止効果は、非搭載車に比べて2.7倍から8.6倍の較差があったとか。
イモビライザの効果車種 (型式) | イモビライザ装着前の盗難数 (販売盗難比) | イモビライザ装着後の盗難数 (販売盗難比) |
アリスト (JZS161) | 553台 (25.8台/1000台) | 22台 (3.0台/1000台) |
ランドクルーザー(UZJ100W) | 618台 (31.5台/1000台) | 259台 (11.7台/1000台) |
セルシオ (UCF21) | 811台 (14.6台/1000台) | 133台 (3.8台/1000台) |
※警視庁統計データより(平成16年5月6日公表資料より)
※販売盗難比とは分析期間中の盗難台数を「販売開始〜分析期間末」の累積販売台数で割ったもの。
この装置を付けていると、複製キーを使っても、キーシリンダーを壊しても、エンジンがかかりません。一部の自動車用品店で1万円〜2万円程度で取り付け可能というから、検討する価値はありそうですね。
ちなみに、一部の自動車保険では「盗難防止装置(設置車)割引」があって、イモビライザなどの指定の盗難防止装置を付けていると車両保険料が安くなるしくみになっています。イモビライザを付けようという方は、自動車保険選びのときにチェックしてみるといいのでは?
by
柳澤 美由紀(CFP 福岡県 福岡市)