「年齢条件」次第で、保険料はこんなに安くできる
家庭用の自動車保険(自家用自動車、自家用小型乗用車、自家用軽乗用車、二輪自動車、原付自動車)では、補償の対象となるドライバーの年齢を限定することで、保険料に違いをもたせています。
たとえば、自家用自動車の場合、年齢にかかわらずその車で事故を起こしたときに保険金が支払われる「年齢制限なし(全年齢担保)」を基準にすると、「21歳以上補償(21歳未満のドライバーが起こした事故は対象外)」にしただけでカクンと保険料が下がり、「26歳以上補償」、「30歳以上補償」、「35歳以上補償」と、対象となる年齢をさらに絞り込むことでもっと保険料が安くなるしくみになっています(図表参照)。
<図表:年齢条件による一時払い保険料の違い>
(前提条件)17等級、トヨタbB(TA−NCP31、初年度登録平成14年6月)、
日常・レジャー使用、ゴールド免許、対人賠償保険:無制限、対物賠償保険:無制限、人身傷害保険(車内外補償):3000万円、搭乗者傷害保険(部位・症状別払):500万円、車両保険(一般):110万円(免責金額1回目5万円、2回目以降10万円)、家族限定特約付き
図表のケースでは、「年齢制限なし」と「21歳以上補償」の一時払い保険料の差は5万6430円。約36%安くなっています。割引率については、契約条件や保険会社によって違いますが、21歳未満のドライバーを補償の対象から外すだけでこれだけの差が生じるのには、理由があります。若年層のドライバーの事故率が高いからです。
警察庁交通局「平成16年中交通事故の発生状況」によると、免許所有者10万人あたりの交通事故件数(自動車)は、16歳〜19歳が最も多く2150.3件。次いで、20歳〜24歳1720.0件、25歳〜29歳1278.7件、30歳〜39歳1012.4件、40歳〜49歳904.6件となっていました。10代と30代、40代では2倍以上の開きがあり、10代を補償の対象から外すだけで保険料がこれだけ安くなっているのも、うなづけます。
年齢条件は、家族の中で一番若い人の年齢に合わせよう 年齢条件を設定するときは、その車に、誰が運転する可能性があるのかをよく検討することが大切です。1台の車を家族でシェアする場合は、免許をもつ家族の中で一番若いドライバーの年齢に合わせること。
また、最も若いドライバーが21歳・26歳・30歳・35歳など、契約先の保険会社の年齢条件に該当する年齢を迎えたら、その時点で年齢条件の変更を行いましょう。保険期間の途中であっても変更は可能です。一時払いで保険料を払い込んでいる場合は、再計算により安くなった分のお金が返金されます。スケジュール帳やカレンダーなどに控えておくと安心ですね。
by
柳澤 美由紀(CFP 福岡県 福岡市)