・1997年の日米保険会議で保険の自由化が決まり、《保険の自由化と規制緩和》が行われることになりました。
以降、各保険会社が保険料を設定する際は、それぞれ独自の計算条件と保険料率を設定しています。その結果、補償内容はほぼ一緒の「自動車保険」でも、会社によってかなりの差が生じることになりました。
・そして、自動車保険業界に外資系保険会社が参入して…国内従来型の、保険会社の代理店やディーラーによる販売方式とは異なる、様々なサービスを提供し始めました。外資系保険会社の主流である通信販売やインターネットによる契約は、代理店などを通さないためコストの削減ができます。
これらの販売方法は、《ダイレクト系》などと呼ばれ、〈最大で約30〜40%、保険料が安くなる〉‥といったキャッチフレーズを打つ保険会社も多いようです。
・歴史的観点(?)からすると…国内の保険会社は人的な《サービス》を重視して、外資系保険会社は《ダイレクト》に価格で勝負する‥といったイメージがあります。
『自由化』と共に、外資系保険会社の多くが『リスク細分型』の「自動車保険」を携えて日本にやってきました。《ダイレクト販売》の上陸です。(…《ペリー来航》か!)
・「リスク細分型自動車保険」では、事故を起こす危険度…《リスク》に応じた保険料が算出されます。車種・走行距離・加入者の年齢・性別‥などの条件によって保険料が設定されるため、走行距離が少ないなど、リスクの低い人は保険料が安くなります。
「リスク細分型自動車保険」は、〈自分に適合する補償を適切な保険料で準備できる〉…というメリットがあるわけです。リスクの高い人にとっては、従来型の「自動車保険」の方が安く済んだかもしれませんが、あくまでも《適切な保険料》ですから…。
・保険料の算出基準となる条件が分かっていれば、保険会社の営業員や代理店などを通さなくても、《ダイレクト》でニーズに合った「自動車保険」に加入できます。そして、《ダイレクト販売》では、《適切な保険料》がさらに割安になる…。
合理的で安い保険料は、大いに魅力です!…かくして「リスク細分型自動車保険」は、国内の保険会社にも浸透していきました。
・最近では、国内の保険会社の「自動車保険」といえば…主力はすべて「リスク細分型自動車保険」になっています。《ダイレクト販売》も、増えています。充実補償を誇る「SAP(自家用自動車総合保険)」は、リーズナブルな保険料がウリの「リスク細分型自動車保険」へと、様変わりしたようですね。
つまり、現在の自動車保険業界には…〈外資・国内ともに大差はみられない〉‥といったところでしょうか。